相続対策を考える際、配偶者の方であれば大きな税額控除がありますが、将来的に**お子様へ資産を引き継ぐ「二次相続」を見据えると、不動産の評価額をどう捉えるかは非常に重要なポイントとなります。
今回は、不動産鑑定の専門的な視点から、適正な時価評価がもたらす「具体的なメリット」についてお話しします。
評価額が1億円下がると、納税額はどう変わるのか
例えば、相続人がお子様2人のケースで、相続財産が不動産(路線価評価2億円)のみだった場合を想定してみましょう。
- 路線価評価(2億円)で申告した場合 基礎控除(4,200万円)を差し引いた課税対象額に対して税金がかかり、お子様2人が納める相続税の合計は約3,300万円となります。
- 適正な時価(1億円)で申告した場合 専門的な調査により時価が1億円と証明されれば、税額合計は約700万円まで下がります。
不動産の評価を適正化するだけで、お子様が支払う税金を約2,600万円も抑え、手元に残せる現金を増やすことができるのです。状況によっては、納税額を30%〜50%以上も抑えられるケースは決して珍しくありません。
費用対効果を重視したご提案
鑑定評価にあたっては、所定の**鑑定評価料(別紙価格表参照)**を頂戴いたします。しかし、この費用をかけて「適正な時価」を証明することで、結果として得られる節税効果は、評価料をはるかに上回る大きなものとなります。
私は、お客様が支払うコスト以上の利益をしっかりと享受できると判断できる場合にのみ、責任を持ってお仕事をお受けしております。
専門家として「適正な価格」を提示する
私の役割は、税務署などの関係機関と対立することではありません。鑑定士としての倫理に基づき、客観的な根拠を揃えて**『適正な価格の提示』**を行うことです。 根拠が明確であれば、万が一関係機関から問い合わせがあった場合でも、論理的に、かつ堂々と説明を尽くすことができます。
路線価より「時価」が低くなる具体例
なぜ、公的な「路線価」よりも「時価(鑑定額)」が低くなるのでしょうか。相続の場面で特に注意が必要な3つのケースを挙げます。
1. 土地の形状が著しく悪い(不整形地・崖地)
路線価は、その道路に面した「標準的な土地」を想定して決められています。
- 事例: 土地の半分が急な斜面(崖地)である、あるいは入り口が狭く奥が広がっている「袋地(ふくろじ)」など。
- 理由: 宅地としての有効活用面積が狭いため、標準的な土地の価格(路線価ベース)よりも、市場での価値は大幅に下落します。
2. 水路に面した土地、崖地、市街化調整区域内の土地
法律上の制限や物理的な障害がある土地は、路線価が実態を反映しきれていないことが多々あります。
- 事例: 道路との間に「水路」があり橋を架けないと敷地に入れない土地、敷地内に大きな「崖」があり擁壁工事に多額の費用がかかる土地、あるいは「市街化調整区域」に指定され建物の建築が厳しく制限されている土地など。
- 理由: 建築の難易度が高かったり、解消するために余計なコストがかかったりするため、市場価値(時価)は路線価評価を下回る傾向にあります。
3. 広い農地をそのまま保有している場合
先祖代々の広い「農地」を維持されているケースです。
- 事例: 住宅地の中に残された、数百坪単位の広い畑や田んぼ。
- 理由: 非常に広い土地を売却・活用しようとすると、道路を造って区画を分けるための設計費や造成費が発生します。これらを考慮すると、1平米あたりの単価は、周辺の小規模な住宅地よりも安くなるのが一般的です。
不動産の評価に少しでも疑問や不安がある場合は、まずは専門家へご相談ください。「適正な数字」を知ることが、ご家族の円満な資産承継への第一歩となります。
※具体的な相続税額の計算や税務申告等の税務判断につきましては、当事務所の提携税理士と連携のうえ、法令に基づき適正に対応させていただきます。
あおぎり不動産鑑定