不動産鑑定評価における「独立鑑定評価」とは?
不動産の鑑定評価においては、現況を所与として、つまりありのままの状態で評価を行うことが一般的です。
しかし、お客様のニーズによっては、独立鑑定評価、部分鑑定評価、併合分割鑑定評価、未竣工建物等鑑定評価、現況と異なる権利関係を前提とした鑑定評価など、様々な条件を設定した評価が必要となる場合があります。
今回は、独立鑑定評価についてご説明します。
独立鑑定評価とは
独立鑑定評価とは、現況の建物等が無いものとして、土地のみを評価するものです。
例えば、
- 老朽化した空家付きの土地を購入する場合
- 建物を建て替える場合
など、将来的な利用を想定して、土地の価値を把握したい場合に用いられます。
独立鑑定評価の注意点
独立鑑定評価は、現況の建物等を取り壊すことを前提とするため、以下の点に注意が必要です。
- 建物の解体費用は、別途考慮する必要があります。
- 鑑定評価額は、現況の建物等を含めた価格よりも高くなる可能性があります。
Q&A
Q: 老朽化した空家付きの土地を購入予定です。銀行融資のために鑑定評価が必要ですが、独立鑑定評価で良いですか?
A: 担保価値の把握目的であれば、原則として現況所与で評価を行います。独立鑑定評価の場合、解体費用等が考慮されないため、評価額が高くなる可能性があります。金融機関にご相談の上、適切な評価方法を選択してください。
Q: 老朽化した建物を取り壊してアパートを建てたいと考えています。売買の参考のために鑑定評価を行いたいのですが、独立鑑定評価で良いですか?
A: 独立鑑定評価で評価を行うことは可能です。ただし、建物の解体費用は別途考慮する必要があります。また、将来的な建築計画も評価額に影響する可能性があります。
まとめ
不動産鑑定士は、お客様のニーズに沿った鑑定評価を行うように努めております。一方で不動産の専門家として、不動産鑑定評価において条件を設定する場合は、お客様だけでなく、鑑定評価書を読む方全ての方の利益を損なわないように、十分な注意が必要して鑑定評価の条件を設定します。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。
地方で不動産鑑定士として独立を検討されている方にとって、安定した収入源の確保は大きな関心事でしょう。その中でも、公的評価は、国や地方自治体からの依頼が確実に入ってくるため、非常に安定した収入源です。
特に、地価公示や地価調査といった業務は、不動産鑑定士の資格を持つ者が行うことが義務付けられており、一定の報酬が保証されています。これらの業務は、不動産の価格を公正に評価し、土地取引の円滑化に貢献する重要な役割を担っています。
公的評価のメリット
公的評価には、安定した収入以外にも多くのメリットがあります。
- 独立開業のハードルが低い: 不動産鑑定士の資格を取得し、一定の実績(過去3年間毎年3件以上鑑定評価報告書を書いている不動産鑑定士)を積めば、誰でも参入できるため、独立開業のハードルが比較的低いと言えます。
- 専門性を活かせる: 不動産に関する高度な専門知識を活かして、社会貢献できる仕事です。それだけでなく日本中いろいろな不動産の鑑定評価をできるのでいろいろなところに旅行(仕事!)ができます。
- 需要が安定している: 不動産の取引は、経済活動と密接に関連しており、景気に左右されにくく、安定した需要が見込まれます。
具体的な収入について
公的評価の報酬は、案件の種類や地域によって異なりますが、地価公示や地価調査といった一般的な業務では、1件あたり6万円前後(メインのA鑑は63000円、そのペアがB鑑と呼び、59,000円になります。独立当初はB鑑だと思います)の報酬が期待できます。例えば、長野県の場合、地価公示の評価員は1人あたり年間約25件、地価調査は5件程度の割り当てを受けることが多いようです。
報酬額を調べる方法
公的評価の報酬額を具体的に知りたい場合は、以下の方法が考えられます。
- 国土交通省のウェブサイト: 各都道府県の不動産鑑定業者の事業実績を調べる。(県ごとの総額や不動産鑑定士の平均年収)
- 都道府県庁への情報公開請求: 各事務所の業種ごとの具体的な報酬額・売上額や案件数などを詳細に知ることができます。
まとめ
地方で不動産鑑定士として独立する場合、公的評価は安定した収入源として非常に魅力的です。ただし、報酬額や案件数は地域や時期によって変動するため、事前にしっかりと調査することが重要です。
また、公的評価以外にも、民間企業からの依頼や相続税評価など、さまざまな業務があります。独立開業を検討されている方は、地域の不動産市場や競合状況なども考慮しながら、慎重に計画を進めていきましょう。
次回は公的評価4兄弟の地価調査について、解説したいと思います。
不動産鑑定士論文試験の合格者は、(1)不動産鑑定評価の実務に関する講義、(2)基本演習、(3)実地演習、(4)修了考査を経て不動産鑑定士の登録ができます。
実地演習で何をするのか?
実地演習では、更地や建物など、13類型の不動産について、鑑定評価報告書を作成します。
実務修習先を選ぶ際のポイント
- 経験者の存在: 過去に実務修習生を受け入れた経験がある鑑定事務所や大学を選ぶと、ノウハウが蓄積されており、スムーズに学習を進めることができます。
- フォーマットの有無: 鑑定評価報告書の作成は、専門的な知識とスキルが必要となります。あらかじめフォーマットが用意されていると、効率的に作業を進めることができます。(フォーマットがあっても1件当たり10時間~20時間の作成時間が必要、未経験者が0から作るのは困難)
- サポート体制: 質問や疑問に丁寧に答えてくれる先生や先輩がいると、安心して学習を進めることができます。
- 遠隔での受講: 地方在住の方でも、オンラインでの受講が可能なところを選ぶと、通学の負担を軽減できます。
〇島鑑定のメリット
- 実績: 毎年多くの人数を受け入れているため、ノウハウが蓄積されており、充実したサポート体制が整っています。
- フォーマットとチェックシート: 鑑定評価報告書の作成に役立つフォーマットとチェックシートが用意されているため、効率的に学習を進めることができます。
- 丁寧な指導: 先生方が一から丁寧に教えてくれるため、安心して学習を進めることができます。
- 遠隔受講可能: 遠隔地に住んでいる方でも、Zoomを利用して受講することができます。
まとめ
実務修習先は、今後のキャリアに大きく影響を与えるため、慎重に選びましょう。〇島鑑定のように、経験豊富な指導者や充実したサポート体制が整っているところを選ぶと、スムーズに実務修習を完了できるでしょう。
※写真は、実務修習の合間に行った戸隠スキー場からの戸隠連峰。
この文章が、不動産鑑定士試験に合格された方の参考になれば幸いです。