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【実務メモ】新規家賃の査定に関する評価の論点整理

新規家賃の査定を行った際の備忘録を掲載いたします。どのような査定を行っているのかの指針になればと思い掲載しております。

1.対象不動産の概要と需要者設定

  • 対象不動産の特徴:築13年、間取り1LDK、広さ40.5㎡(LDK12畳、洋室6畳)。
  • 需要者:共働きの夫婦、カップル、高所得の単身者など。
  • 同一需給圏の範囲:上記需要者が中心市街地へ通勤可能な範囲と設定。
    • 取引事例は近隣地域または同一需給圏内の類似地域から選択。
  • 価格の種類:支払賃料。依頼目的は新規の賃貸借の参考とする。

2.市場分析と賃料査定の留意事項

  • 市場分析結果
    • 共同住宅敷地(300㎡以上)の土地価格帯:80,000円/㎡~160,000円/㎡。
    • 駅徒歩15分以内では110,000円/㎡~160,000円/㎡が中心。
    • アパートの賃料価格帯:新築1LDKで2,100円/㎡~2,600円/㎡。築10年前後で1,800円/㎡~2,300円/㎡。
  • 留意点
    • 共益費:共益費の有無で敷金や仲介手数料に影響。込家賃の場合、共用部分の維持管理費等を費用計上する必要がある。
    • 面積表示:契約書記載の面積は通常壁芯面積を採用。広告目的や事例との比較のため。
    • 契約書の確認:月額支払賃料、敷金礼金、契約期間、特約事項(ペット、告知義務など)、契約形式などを確認。
    • 維持管理の状態:管理人の常駐・巡回の別、大規模修繕計画、管理規則の有無を確認。

3.評価方針と適用手法

  • 評価方針:積算法および賃貸事例比較法の2手法を適用する。
    • 収益分析法は、対象が賃貸用不動産のため適用しない。

(1)積算法

  • 基礎価格の査定:更地価格(取引事例比較法、開発法で求める)に契約減価の有無を考慮して求める。
  • 期待利回り:投資用共同住宅の事例や不動産投資家調査の取引利回りを参考に査定する。
    • NOI、NCF利回り、粗利回りに留意する。
  • 必要諸経費の計上:維持管理費、公租公課、損害保険料、空室等損失。
    • 共益費収入で賄われる共用部分の維持管理費は計上しない。
    • 減価償却費は、取引事例との平仄を合わせるため計上しない。
    • 損害保険料は1室の損害保険料を配分率により査定する。

(2)賃貸事例比較法

  • 格差率の査定項目
    • 構造による格差(防音に対する需要者意識の反映度)。
    • 建物の位置による格差(角住戸、中間住戸)。
    • 築年数による格差(築5年と築10年などの賃料格差)。
  • 接面街路の格差:土地と異なり、賃料の意思決定に与える影響が少ないため、考慮しないことが多い。

4.評価賃料の決定

  • 評価賃料は、積算賃料と比準賃料の重みづけを判断し決定する。
  • 判断基準:典型的な需要者が重視する価格形成要因が各手法の結果に十分に反映されているかどうかを検討する。

上が、新規賃料、いわゆるアパート等の家賃を求める際の手順や評価にあたり留意している点の概略をまとめさせていただきました。

対象不動産によって、需要者や価格動向、慣行は異なりますので、不動産鑑定士は案件ごとにこのような詳細な分析や査定を専門的に行っております。

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