分譲マンションの査定を行った際の備忘録を掲載いたします。どのような査定を行っているのかの指針になればと思い掲載しております。
【対象不動産】駅徒歩4分、地上14階建マンション4階部分 88㎡3LDK
【同一需給圏】典型的な需要者である個人のエンドユーザーが、長野県の中心市街地へ通勤可能な地理的範囲
【近隣地域】駅に近く、中心市街地までも自転車通勤も可能な交通利便性に優れ、スーパーや小学校が近接する生活利便性も高い、高層分譲マンションが建ち並ぶ地域
【将来動向】駅への近接性や利便性の高さから低層店舗等が解体され、中高層マンションへの建替えが緩やかに進行中
【典型的な需要者】自己の居住用として使用することを目的とする個人エンドユーザー
【市場分析】
・新築マンションは5,000〜6,000万円(単価60〜70万円/㎡)
・中古マンションは築10年で3,000〜4,000万円(単価40万円前後/㎡)
・中古マンションは築30年前後で1,000〜2,000万円
・近年は供給が増加傾向にあり、需要者が中古から新築へ移行する傾向
・中心の供給専有面積は以前の85㎡からやや狭めの75㎡に変化
【代替競争関係にある不動産と比べた優劣】
・駅から徒歩約4分の交通利便性
・南向き角住戸のため眺望、日照、通風に優れる
・幹線道路の騒音影響は4階で軽微
・平成27年築で専有面積約88㎡、御影石使用など品等も優れる
総合的に代替競争関係にある不動産よりやや優位な競争力を持つと判断
【最有効使用】対象である自用の区分所有建物とその敷地は現況のまま継続使用
【留意点】
・マンションの修繕費積立金の金額
将来予想される外装塗装の工事見積と修繕費積立金の累積積立金額との比較
修繕費積立金の現状の水準と、国交庁のガイドラインの金額の比較
・マンション価格に影響を与える主な価格形成要因の把握
→築年数、最寄駅からの距離、小学校までの距離等の住環境
・共益費の取り扱い 共込家賃か否か
・管理規則の確認 管理費、修繕費積立金、計画、累計積立額、特約事項の有無、規約敷地や専有使用権の確認
・管理費滞納の有無
【評価手法】原価法、取引事例比較法、及び収益還元法の三手法を適用し、これら試算価格の検討
- 原価法
- 標準住戸の設定3Fの中部屋 階層別格差と位置別格差の把握
- 建築費単価の査定
マンションの再調達原価と新規売り出し中のマンションの価格との整合性
- 更地価格の査定 開発事業者目線での格差比較
一種単価、単価、容積率、駅距離、敷地規模
- 付帯費用の査定 開発業者の財務諸表 不動産会社への聴取
- 取引事例比較法
- 対象不動産の存するマンションの成約事例や、近隣の同施工会社のマンション取引事例の分析
- 収益還元法
- 対象不動産の存するマンションの成約事例や、近隣の同施工会社のマンション賃貸事例の分析
- 賃貸事例間の時点修正率の査定 CPI,賃料INDEX,地価変動率との相関関係
- 賃貸事例間の比較における建物の構造による賃料格差
- 分譲マンションのオーナーチェンジ利回りと自用の利回りの差の検討
- 還元利回りの査定
実際の成約事例(特にオーナーチェンジ)を基礎にしてNCF利回りを査定
規模、駅距離、グレード感による利回り格差の把握
- 資本的支出の金額(大規模修繕費)の査定
・修繕費積立金の予測
- 上記大規模修繕のほか、専有部分のクロスの張替えやエアコンの交換費用の査定
- 分譲マンションの空室率の把握 平均入居期間、募集期間の査定
- 一棟利回りと一戸利回りの格差の有無の検討
【鑑定評価額の決定】
・典型的な需要者が自己居住用のファミリー層
需要者が重視する価格形成要因を適切に反映している比準価格を標準
積算価格と収益価格を参考に留め、鑑定評価額を決定しました。